「そもそも法人化って?」
「法人化ってよく聞くけど、なぜ法人化するの?」
「なんとなく節税になるって聞くけど、よくわからない・・・」

「法人化」という言葉は見聞きしたことがあるけど、法人化についてよくわからないという方はたくさんいらっしゃいます。
そこで、以下では、法人化について簡潔に解説します。

そもそも法人化って?

「法人化」とは、事業主体を個人から法人に切り替えることです。事業を個人で行うのではなく「会社」などの法人組織が担うようにすることを言います。
不動産事業の法人化には、一般的に、①「所有方式」②「管理方式」③「転貸方式」の3つの方法があります。
法人化の最大のメリットは事業収益の法人移転による節税効果ですが、この節税の観点も踏まえて3方式を解説します。

①所有形式

所有方式では、法人が直接不動産を所有して、その賃貸から法人が直接事業収益を得る方式です。
100%の事業収益が法人に帰属するため、節税効果が高い方法です。

②管理方式

管理方式では、不動産法人は物件の所有権を持たずに、所有者に代わって物件の運営管理を行います。この方式では、法人は賃料の5%程度の管理手数料を収益とし、賃貸契約の締結、入居者対応、メンテナンス管理などを担当します。
法人の事業収益は5%に過ぎないので、節税効果は小さい方法と言えます。

③転貸方式

転貸方式では、法人が物件の所有者から賃貸し、それを再度、他の入居者に賃貸(転貸)する方式です。この方法では、法人は不動産の所有者(個人)に対して、入居者からの賃料の85~90%の賃料を支払いつつ、入居者からの賃料を収益として得ます。法人は、空室リスクや賃料収入の変動リスクを負うことになりますが、10~15%程度の差額から事業収益を得ることができます。
法人の事業収益は10~15%、個人の所得は85~90%となりますが、節税効果は限定的です。

上記の通り、法人化最大のメリットである節税効果が最も高いのは、①所有方式です。
よって、法人化を検討する際には、①所有方式による法人化が第一候補と言えます。
そこで、以下では、所有方式による法人化を前提にして解説します。

法人化のメリット

法人化の最大のメリットは「節税」です。
以下では、法人化による節税の仕組みを解説します。

1.所得の分散効果

個人の所得税は、所得が増加するにつれて税率が高くなる累進課税制度となっています。
1人で大きな所得を得て課税されるよりも、家族などに所得を分散したほうが税率を低く抑えられるため、家族全体として税金が少なくて済みます。
例えば、不動産収益が930万円の場合、個人1人であれば税率43%、法人を利用して3人に310万円ずつ分散すれば税率20%を基に計算した所得税・住民税が課税されることになるので、大きな節税となります(後記税率表を参照)。

2.所得税と法人税の税率の差

下の表の通り、個人と法人では税率が違います。不動産収益が大きくなると法人の税率が低く、税負担が小さくなります。つまり、不動産収益が大きい場合には、個人で課税されるよりも法人で課税されたほうがお得ということになります。

3.相続税増加の抑止効果

個人で不動産を所有している場合、不動産収益は個人に集中するので、個人の財産がどんどん蓄積されていきます。相続税はその蓄積された財産を基に計算されるので、個人で不動産を所有し続けると、どんどん相続税負担が大きくなっていきます。
この点、仮に法人で不動産を所有している場合には、個人に蓄積されるはずだった財産が法人に蓄積されることになるので、法人化すると相続税の増加を抑止する効果があると言えます。

法人化のデメリット

法人化の主なデメリットは、次の4つです。

1.設立コスト

法人を設立するためには、法務局に対して設立登記を行い、その登記費用が発生します。この費用は、法人の種類(株式会社、合同会社など)によって異なります。

2.維持コスト

一度法人が設立されると、定期的にかかる維持コストが発生します。

  • 社会保険料:健康保険や厚生年金保険などの社会保険料の支払いが必要になります。給与を受け取る個人の保険料と同額を法人も負担することになります。
  • 税理士費用:法人は個人と比較して税務が複雑であるため、通常、税理士によるサポートが必要です。この場合、個人の確定申告を依頼する場合より高額になる傾向にあります。
  • 法人住民税:赤字であっても均等割が毎年7万円発生します。

3.譲渡時の税率が高くなる

不動産を売却する場合の税率は、個人所有の場合は約20%に対して、法人所有の場合は約33%となります。近い将来の売却を予定している場合には注意が必要です。

4.不動産の移転コストが発生する

不動産を個人から法人へ移転する場合には、不動産取得税や登録免許税などの移転コストが発生します。また、移転の方法について、売却するのか、贈与するのか、売却するならいくらで売却するのか等、専門家のサポートが不可欠です。

これらのコストは、不動産事業を法人化する際の重要な検討事項です。特に、維持コストは長期的に法人を運営していく上で継続的に発生するため、事業計画において十分に考慮される必要があります。事業の規模や将来計画に応じて、これらのコストが事業の収益性に与える影響を正確に評価し、計画的な運営が求められます。

法人化シミュレーションの重要性

法人化は一度実行すると撤回が困難であり、失敗した場合にはその影響は長期に及びます。よって、不動産の法人化を検討する際には、緻密に絡み合うメリットとデメリットを慎重に検討することが重要になってきます。
当事務所では、専門知識に基づく詳細なシミュレーションと綿密な検討をお手伝いしています。お客様の事業の現状と将来のビジョンに最も合致した法人化戦略を一緒に練り上げ、最適な決定へと導きます。ご相談をお待ちしております。

法人化シミュレーション11万円~
意見書・不動産鑑定評価書の作成22万円~

※不動産を個人から法人へ移転する場合、不動産鑑定評価書を活用することによって、大きな節税になる場合があります。

まずは、無料面談から

「何から相談すればいいかわからない」
「こんな質問したら笑われかも」
そんなことは全くありませんので、ご安心ください。
このようなご不安を抱えておられるお客様はたくさんいらっしゃいます。

私たちの事務所は、親身な対応を信条としております。
お気軽にお問い合わせください。

  • お客様のお悩みやご希望をお伺いします。
  • 税理士との相性をご確認いただきます。
  • サービス内容や料金についてご説明します。

相続の生前対策も同時に相談したい場合はこちら

お問い合わせ・面談予約

初回面談は必ず代表が対応いたしますので、担当者による当たり外れはありません。
親身な対応が信条ですので、どうぞ気軽にご相談ください。

03-6881-0992
受付時間 平日9:00~19:00
電話受付にご用件をお伝え下さい。
当日中に折り返しお電話させていただきます。